多肉植物実生 種の下準備について

アガベ、パキポディウム、オペルクリカリア、フォークイエリアなど、何度かの種まきからの発芽を経験し、実際に種を蒔くまでの下準備や、種まきの際に使用する用土などについてなんとなくのパターンが確立できてきました。今後も少しでも発芽率を上げられるように改良を加えていきますが、ここで一度現状をまとめたいと思います。

種まき前夜の準備

種が届いてそのまますぐに播種するわけではありません。そのままでもいいのかもしれませんが、発芽率を上げるために種まき前夜に下準備をしておきます。
使用するのは2種類の薬剤です。
1つはカビ対策としてダコニール液です。

ダコニール

種まき直後は腰水で管理することが多いためどうしてもカビが発生しやすくなります。種からのカビの発生を抑えるために使用します。ダコニール液体は1000倍に希釈します。1000倍ですがかなり白っぽい液体になります。
2つ目がこちらのメネデール液。植物を元気にさせる活力剤です。

メネデール

種の段階で与えることで発芽率が上がるということですが、正直その効果はどこまであるのかわかりません。半分はおまじないみたいな感覚で使っています。
この2つの液剤、ダコニールとメネデールを混ぜた液体に種を一晩浸け込みます。もちろん薬剤そのものの効果もありますが、一晩浸けることで種が柔らかくなり芽が出やすくなります。

こんな感じで種の種類ごとに分けて浸け込みます。属性が違う種であれば見た目が全然違うので大丈夫なのですが、同じ属性の種の場合、見た目がほぼ一緒のものも多いので、混ざらないように気をつけなければなりません。特にアガベなどは種が小さいため、取り分けてケースに入れるときや、ケースから取り出すときに手元からこぼれ落ちてしまうことが多々あります。一度混ざったら最後、発芽してくるまでどの種かわからなくなります。十分に注意しましょう。

種まき用の土の準備

種まきの際に使用する用土についてはそれほど神経質になる必要はないと思います。最初の頃はあれやこれや考えて最適なブレンドを生み出そうとしましたが、そもそも播種してしばらくの間は腰水管理のため土が苔や藻やカビでダメになったり、一つのポットに10粒前後蒔くことが多いのですが、発芽するポットに偏りが出るため植え替えが必要だったりと、どのみち長く使用することがないからです。ただ、そこをうまく管理して植え替えが必要なくなるような技術がある方たちもいて、播種から1年くらいは植え替えずに育てるという場合は、ある程度こだわった用土がいいでしょう。わたしもその技術が備わってきたら、用土についてももっと研究したいと思います。正直、数週間や数か月で苗を移したり植え替えたりするのは面倒なので、播種から1年くらい植え替えなしでいけるに越したことはありません。
ということで、現状でわたしが種まき用の土として使用しているのはこんな感じです。

  • 赤玉土(小粒):7
  • バーミキュライト:1
  • 種まき用の土(多肉植物用):1
  • 赤玉土(中粒):1

鉢底に赤玉土(中粒)を入れます。腰水した際に鉢底から水を吸収するのに、軽石よりも赤玉土の方がいいだろうという判断です。その上に、赤玉土(小粒)とバーミキュライトを混ぜた土を入れます。これがほぼ8割を占めており、メインの土になります。このままでもいいのですが、小さい種の場合は土の粒が若干大きく、発芽しても苗が安定しないため、表面を市販の種まき用の土で覆います。ただし、栄養分の多い土だと苔が生えやすいため注意が必要です。

出来上がりはこんな感じ。表面がこのくらい細かければ、芽が出ても安定しやすいです。

用土の消毒

土の準備ができたらカビの発生を抑えるため、最後に熱湯で消毒します。沸騰したお湯をコーヒーを淹れる容量で注ぎます。消毒が終わり土が冷めたらいざ種まき開始です。

播種前の消毒
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